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未来のモビリティを創る、ボッシュの新研究開発拠点のコンセプトとエンジニアの働き方

ボッシュは2024年に、横浜市都筑区へ新たな拠点を設立することを決めました。新設事業は「FUSIONプロジェクト」と呼ばれ、プロジェクトメンバーだけでなく各事業部から選任されたアンバサダーと共に進められています。FUSIONプロジェクトに携わっている渡辺とエンジニアの小林が、それぞれの視点から新オフィスの魅力やこれからの期待を語ります。

渡辺 和徳

小林 正和

【動画公開中】メンバーが語る、FUSIONプロジェクトの全貌

※再生ボタンを押すと音が出ますのでご注意ください。

ボッシュのFUSIONプロジェクトについての動画も、ぜひYouTubeでご覧ください。

ここからはFUSIONプロジェクトのコンセプトやプロジェクトメンバーが抱く想いなどを詳しくお伝えします。

新たに誕生するオフィスには、約2,000名の従業員が集約

まず、FUSIONプロジェクトにおけるおふたりの役割を教えてください。

渡辺 和徳(以下、渡辺):私はFUSIONプロジェクトと呼ばれるボッシュ研究開発拠点の新設事業プロジェクトで施設運営企画を担当しています。

小林 正和(以下、小林):私はビークルモーション事業部に所属し、横滑り防止装置などのシャシー制御用のセンサーやエアバッグシステムECUの設計を担当しています。FUSIONプロジェクトには、各事業部から選任されるアンバサダーとして携わっています。

FUSIONプロジェクトの概要を教えていただけますか?

渡辺:ボッシュは、2024年に横浜市都筑区のセンター北エリアに新しい研究開発拠点を設立する予定で、それを「FUSIONプロジェクト」と呼んでいます。新設するオフィスは地上7階、地下2階、延べ面積約5万平米という非常に大きな建物です。

2023年2月現在複数の拠点に分散しているボッシュの従業員2,000名が集約され、同じオフィスで働くことを目指しています。これから入社される新しいエンジニアの方々も、ワクワクして働けるようなオフィスになるのではないかと思います。

オフィスとしては、とても広いですよね。

渡辺:そうですね。また、FUSIONプロジェクトはPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)という特徴のあるもので、ボッシュの社屋を建てるだけでなく、横浜市の区民文化センターも同じ敷地に建つ予定です。地域の賑わいを創出するため、より地域に根ざしたオフィスを目指して建築していこうとしています。世界中のボッシュの中で見ても、公民連携で進めるプロジェクトは今回が初めてですね。

自然のエネルギーを取り入れ、「サステナビリティ」を新社屋に反映

ここではFUSIONプロジェクトについて、建築とデザインのリードを担うヨハネスによる解説をご紹介します。

ヨハネス:FUSIONプロジェクトは、日本のボッシュ・グループだけではなく、グローバル全体のボッシュで見ても非常に大きなプロジェクトです。

ヨハネス:ボッシュの新社屋設計の中でもとくにユニークな点を紹介します。まずは、外壁に沿ってバルコニーを多く配置することで、屋上から自然光を取り入れると同時に、自然換気を可能とする仕組みを取り入れます。そうすることで、従業員の働く環境を向上させるだけでなく、エネルギー削減と同時にコスト削減を目指します。

それに加え、トイレ洗浄や植物の水やりに雨水を利用します。外壁にルーバー(開口部に細長い板を並べたもの。日除けや目隠しの役割を果たす)を設置することで、室内への熱の侵入を防ぎ、冷却に必要とされるエネルギーも削減できます。

ヨハネス:そして、ボッシュの自社製品「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」も屋上に設置します。2024年のオープン当初はSOFCで発電の実証運転を開始し、2026年には最大数百kWまで拡大することを視野に入れています。一般的な火力発電所から提供される電力と比較して、横浜にて都市ガスで稼働させた場合、CO2排出量や電気代はそれぞれ20%程度削減できる見込みです。

以上のような工夫を凝らした新社屋が、新しい従業員を含む多くの方々に公開できる日が待ち遠しいです。従業員がポテンシャルを充分に発揮できるワークスペースになるでしょう。

そして、新しく素晴らしい製品を生み出すために、あらゆる人々が活躍できる場となることを願っています。ボッシュにとってサステナビリティは非常に重要なテーマのひとつ。より良い施設設計を通じて社会貢献できればと思います。

「木」をモチーフにしたデザインのオフィスは、フロアごとに3つのエリアが存在

新オフィス内部のデザインコンセプトについて、教えてください。

渡辺:都筑区は「グリーンマトリックスシステム」と呼ばれる計画を定めており、森や水辺、歴史的遺産などを緑道でつないでいます。当社もその歴史ある土地に参画するため、新オフィスのデザインコンセプトにも自然の要素である「木」を取り入れました。フロアによってデザインを変化させています。

地上階には地域に根ざしていきたいという当社の想いを込めてアースカラーを採用。上階に行くにつれて徐々に緑が溢れていき、最終的には空のスカイブルーを取り入れたフロアになっています。同じオフィスでもフロアごとに雰囲気が変わり、人々の思考にも相乗効果を生み出せるようなオフィスを計画しています。

各フロアはエリアが区分けされているようですが、これにはどのような意図があるのでしょうか?

渡辺:まず、世の中の動きや今の働き方として、リモートワークがキーワードになっています。ボッシュも「Smart Work制度」(※)として、リモートワークを従業員に推進する取り組みを行っているところです。

そのような中でなぜオフィスに来るのか考えたとき、重要なのがコミュニケーションです。人と人が対面してコラボレーションすることで、新しいアイデアを生んだりパフォーマンスを高めたりできる。そのため、新オフィスではいかにコミュニケーションを活性化できるかを意識して計画を立てました。

※日本の拠点を含めた全世界のボッシュの拠点で出社とリモートのハイブリッド型の働き方を基本とし、チームメンバーとの話し合いを通して最適な働き方を自分たちで決定する制度

渡辺:中央にコミュニケーションゾーンがあり、人が集まって会話がしやすくなっています。ただし、こちらは研究開発拠点なのでエンジニアの方々も多く働き、一人ひとりが集中してパフォーマンスを上げることも大切です。そこで、ひとりで集中して仕事ができるインディビジュアルゾーンも設けています。

渡辺:コミュニケーションゾーンとインディビジュアルゾーンを結ぶ中間点には、アジャイルゾーンというスペースを設けています。こちらは可動式の家具を採用した空間です。将来的な変動に合わせ、よりフレキシブルに働く環境も変えていける枠ですね。

エンジニアの小林さんから見て、新オフィスのエリア区分はどうですか?

小林:ひとりで集中して業務に取り組みたいときに、インディビジュアルゾーンがあるのはいいですね。机にふたつのモニターがあったり、昇降式のデスクで気分を変えながら業務ができたりするので、リラックスして働けるのかなと思っています。

また、私たちの業務ではレビューやブレインストーミングが必要なことも多く、みんなで集まって話したほうが早いこともあります。そのようなときは、アジャイルゾーンでレイアウトをフレキシブルに変更しながらプロジェクトルームを作れそうですね。

横だけでなく縦のつながりも増やすためのオープンな設計に

フロアごとの機能をご紹介いただきましたが、バーティカルコネクションというフロアとフロアを結ぶ仕組みについても教えていただけますでしょうか?

渡辺:コミュニケーションを促進させるためには、横のつながりだけではなく縦のつながりも必要だと考えました。コミュニケーションゾーンは結構広く、長い方向で170メートルあります。

閉じた空間だとなかなか階段の上り下りもされないので、縦のつながりを増やすために階段空間をオープンにすることを重視しました。太陽光が入り込んだデザインで、縦方向につながっていくイメージが反映されています。

バーティカルコネクションにも、研究開発拠点だからこその特徴があるのでしょうか?

小林:ラボですね。私たちはヘビーラボとライトラボというコンセプトを持っており、試験内容によってフロアを適切に配置しています。モノに触れながら開発を進められるようになっていて、Tech-caddyという移動式の簡易測定器を持ち運んで、開発プロセスに合わせてラボを柔軟に使い分けることができます。これにより、モノに触れることの大切さも考慮されたオフィスになっています。

また、壁がないオフィスなので広く見渡すことができ、自分とは部門が異なる方々とも交流しやすくなるのではないかと思いますね。煮詰まったときは中央のコミュニケーションゾーンに行ってコーヒーを淹れながら雑談して、その中で新たなコミュニケーションが生まれることを期待しています。

バルコニースペースもあるそうですが、こちらはどのように使う場所になるのでしょうか?

渡辺:会議にも休憩にも使ってもらえるスペースですね。完全な外のバルコニーではなく、天気や気候が良いときに窓がオープンになる半個室のバルコニーもあります。その中には会議室のようなテーブルのセットアップも用意しているので、穏やかな良い天気の中で会議をすることも可能です。私が知る限りでは、オフィスビルで完全に風を取り込んで会議ができる場所はなかなかないので、ユニークなポイントだと思いますね。

従業員の声を新オフィスに反映するためのオンライン投票やアンバサダー活動

現在着々と工事が進んでいるところだと思いますが、従業員のみなさんの声はどのように反映されているのでしょうか?

渡辺:せっかく新しいオフィスを建てるからには、従業員が出社したくなるようモチベーションを上げるのも、プロジェクトを推進する当社の役割だと思っています。より身近に感じてもらうために、食堂のインテリアデザインを従業員のオンライン投票で決めました。

小林:各事業所にサンプルのパネルが置かれていました。出社したら必ず目に付く場所にあったので、そこで立ち止まって普段業務で関わらない方と会話をする機会にもなりましたね。

渡辺:意外な結果になったので、やはり従業員に選んでもらったのは良かったですね。自分が作ったもの、関わった社屋で働くのはモチベーションも上がると思うので、今後は導入する家具も従業員に選んでもらうことを検討しています。

大規模のオフィスで事業部も多岐にわたるため、現在はそれぞれの事業部から選任されたアンバサダーと一緒にチームを組み、計画を立案しているところです。

小林:私もアンバサダーとして先日アンバサダーワークショップに参加したところ、大勢が集まっていて改めて大きなプロジェクトなんだと実感しましたね。今までオンラインでしか話していなかった方と、初めて対面することもできました。やはり話しかけやすさが全然違うので、直接顔を合わせることは非常に重要だと思います。これからも定期的にアンバサダーワークショップがあるので、いろいろな方と交流できたらいいですね。

渡辺:まさにコミュニケーションを主軸に今後考えていきたいので、このアンバサダー活動が事業部を横断して取り組んでいく先駆けのプロジェクトになっていけばいいなと捉えています。

新しいオフィスに息を吹き込む従業員の声を持ち寄り、環境を整えたい

おふたりがそれぞれの立場でFUSIONプロジェクトに対して抱いている想いをお聞かせください。

小林:これからの日本のボッシュ・グループの発信拠点となるオフィスを新設するプロジェクトに携わることができて、大変嬉しいです。新しいオフィスに息を吹き込むのは、実際に働く私たちです。そのため、普段の業務の中で感じていることをアンバサダーとして集約し、それを持ち寄ってメンバーたちと解決方法について話し合いたいと思います。

渡辺:そうですね。新オフィスは活発に意見交換できる空間にしたいので、成果を出すためにも疑問や不安をすぐに相談できるような環境を整えていきたいです。

新しいオフィスの全貌がよくわかりました。完成が楽しみです。

今回のお話を聞いてボッシュに興味をお持ちの方は、ぜひ動画もご覧ください。

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※このページは「talentbook」に掲載された内容を転載しています。
 出典:https://www.talent-book.jp/bosch/knowhows/51096