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運転支援システムの開発最前線。
ベンチャーマインドあふれる日本のXC事業部のエンジニア

2021年に設立されたクロスドメイン コンピューティング ソリューション事業部(XC事業部)。日本の自動車メーカーの窓口となり、ADAS(先進運転支援システム)の開発に携わる山田、米元、長谷川が、大きく変化する自動車業界でADASに関わるやりがい、ボッシュならではの強みを語ります。

山田 康弘

2012年新卒でボッシュに入社。ESC(横滑り防止装置)やレーダー/カメラのアプリケーションエンジニアを経て、ボッシュアメリカへ赴任しテクニカルプロジェクトマネージャーを経験。2024年からADASドライビング領域のグローバルテクニカルプロジェクトマネージャーを務め、現在はXC事業部で課長を兼任。

米元 慧

テレマティクス製品や無線機を扱う企業で約6年無線機の開発プログラマーを経験した後、アメリカに赴任し無線機の販売を担当。帰国後は、プロジェクトマネージャーとしてキャリアを積み、2023年ボッシュにキャリア入社。ADASのレーダー開発プロジェクトにテクニカルプロジェクトマネージャーとして参画。

長谷川 晃國

2022年新卒でボッシュに入社。日本の自動車メーカー向けのプロジェクトでレーダーのシステムインテグレーターを担当。2025年からは、将来の製品に向けた次世代センサーの先行開発のため、実車を使ったデモ活動などを行っている。

日本市場を深く理解したチームが、各国の拠点を束ねてグローバルにプロジェクトをリード

より快適な運転支援や自動運転の実現に向け、ソフトウェアとエレクトロニクスを集約する部署として設立されたXC事業部。モビリティに求められることが変化する中、複雑化する自動車システムを統合・最適化するための専門部署として誕生しました。

XC事業部の特徴は、フレキシブルな体制。主な拠点を横浜市都筑区にある「新本社」に構え、出社とリモートワークを柔軟に組み合わせながらクロスドメインの開発を進めています。

山田、米元、長谷川が所属するのはADASのセンサーやシステムなどを担当するチーム。ブレーキのコントロールを担うチームなどと連携しながら開発に取り組んでいます。

山田:ADASのプラットフォームは、ドイツやハンガリーが中心となって開発しています。私たちのミッションは、その開発チームとお客さまである日本の自動車メーカーの架け橋となって、お客さまの要望に合わせたシステムを作り上げていくこと。日本の自動車メーカーの厳しい基準を満たしながら、双方の意図をつなげていく必要があります。

米元:日本語と英語ではニュアンスが違いますし、日本企業と海外企業では文化もコミュニケーションのとり方も異なりますから、ただ翻訳すればいいというわけではありません。日本のお客さまのニーズを深く理解したローカルチームが、グローバル開発拠点と連携するためのハブとなり、日本市場特有の課題に応えるソリューションを提案しています。

日本市場の特性を活かした独自のチャレンジができることがXC事業部の魅力の一つ。自らの意思とアイデアでプロジェクトを動かすためにも、グローバルに膨大なプロジェクトを行ってきたボッシュの強みが活かせると3人は話します。

長谷川:ボッシュにはこれまで世界各地のプロジェクトで培ってきたノウハウやデータがあり、各地の動向からモビリティ業界の最新トレンドも把握することができます。技術力をベースに、データに基づいたフィードバックやトレンドを読んだ提案ができるのです。

山田:加えて、さまざまな部品やシステムを手がけている点も強みです。お客さまからすれば「ボッシュに全部任せられる」という安心感があるので、「他の事業部と連携しながら幅広く対応してほしい」という要望をいただくことも多くあります。グローバルに社内のネットワークをつなぎながら開発を進めるXC事業部の体制は、そのニーズにも応えられるものだと考えています。

これまでの経験を活かしながら、プロジェクトマネージャーとしてキャリアアップ

山田は2012年、長谷川は2022年に新卒でボッシュに入社。米元はテレマティクス製品や無線機を扱う企業を経て、2023年にキャリア入社しました。

米元:前職では無線機のソフトウェア開発プログラマーとして仕事をした後、5年間アメリカに赴任し、製品販売を経験しました。その後、プロジェクトマネージャーとして勤務するようになったことが、今のキャリアにつながっています。プロジェクトマネージャーとしてさらにスキルを磨きたい、日常的に英語を使う環境に身をおきたいと考え、ボッシュに入社しました。

現在担当するのは、レーダーの開発。車の各箇所に設置されたレーダーとカメラが周囲の情報をADASに伝えるという機能の内、レーダー機能のカスタマイズやパフォーマンスの向上などに取り組んでいます。

米元:私自身は、テクニカルプロジェクトマネージャー(TPM)として、他のメンバーと共にお客さまと開発チームをつなぐ立場を担っています。

長谷川は入社以来、レーダーのシステムインテグレーションを担当。ソフトウェアとハードウェア、そして車両の3つを統合した上で、システムとして正しく動くかどうかの検証をしたり、要求仕様管理や車両全体のセットアップを行ったりするポジションを担ってきました。

現在は、技術の先行開発に従事しています。

長谷川:開発チームが取り組んでいる技術を部分的に実車に搭載し、デモ活動などを通してお客さまに提案しています。こういった先行開発とTPMがすくいあげてきたお客さまの困りごとを密に連携させることで、新たな製品を供給することにつながります。

山田は入社後、北海道・女満別にある拠点に勤務し、車体制御性能をお客さまの要望に合わせて適合していくアプリケーションエンジニア(※)としてブレーキのチューニングを担当していました。

その後、ADAS領域の拡大に伴い異動。レーダーやカメラ、センサーのアプリケーションエンジニアを経て、アメリカに赴任。それを機にTPMへとキャリアチェンジしました。

山田:アプリケーションエンジニアを経験すると、自分たちが開発しているシステムが車両の中でどう動いているかを深く理解できます。その知識があることで、プロジェクトチームを動かす上でのポイントも見えてくるのです。

私たちはお客さまからテクニカルな細かい質問を受けることもありますが、その質問内容が理解できるという点でも、アプリケーションエンジニアの経験が活きていると感じます。

帰国後は、グローバルテクニカルマネージャーとして2社を担当しながら、所属部署の課長も兼務しています。

山田:開発窓口としてADASドライビング領域のTPMを統括しながら、お客さまへの提案と量産開発の両方をマネジメントしています。課長としては、海外の拠点に勤務するTPMも含めたメンバーのサポートをしています。

※ アプリケーションエンジニアの仕事内容は、こちらの記事をご覧ください。
https://www.talent-book.jp/bosch/knowhows/55427

変革期にある自動車業界だから経験できるダイナミックな仕事が魅力

お客さまの意図を開発チームに正しく届けるために、重要な役割を果たすXC事業部。長谷川は、入社2年目から携わったプロジェクトで、立ち上げから量産化まで一連の流れを経験できたことが印象に残っていると話します。

長谷川:不具合の管理や車両のセットアップ、システムの検証といったシステムインテグレーターとしての基本業務に加えて、海外の開発デベロッパーと仕様に関する調整などをする機会もありました。セキュリティの領域で変更があった際には自分で試験を行うこともあり、ベースとなる知識が必要です。仕様書を読み込んだり、勉強したりを繰り返しながらプロジェクトを最後まで担当できたことは、自分の成長につながったと感じています。

側で見ている山田が、「幅広い視野で、常に先読みできていることがスムーズなコーディネートにつながっている」と評するように、長谷川には仕事において大切にしている姿勢があると言います。

長谷川:「準備が8割」を心がけています。お客さまからの質問を予測して、回答を用意した上で打ち合わせに臨むなど、丁寧に準備することを大切にしています。

前職では車と無縁の仕事をしていた米元は、車の知識を身につけながらお客さまと信頼関係を築いていく過程がおもしろいと話します。

米元:自動車業界にいなかったからこそ、業界の当たり前になっていることに疑問を持てるという点は私の強みです。その強みを活かしながら、お客さまとの関係を深め、さまざまな情報をいただけるようになってきました。

また、プロジェクトマネジメントに活かすために受けている運転技術のトレーニングなどを通して、車の開発に対する興味も増しています。テストに必要な工数や手戻りを考慮した計画の立て方、テスト担当者の安全性の確保など、プロジェクトを進める上で知っておくべき現場の状況が学べます。そういった環境で最新の車種に搭載するシステムに携われることが楽しいですね。

大きな変革期にある自動車業界。最新の製品に携われることに加え、ダイナミックな仕事ができることもADASに関わる醍醐味だと山田は言います。

山田:運転支援システムから自動運転へという流れがある中で、機能はどんどん拡張しています。1つの機能からスタートしたとしても、私たちのサポート範囲はどんどん広がっていくのです。その中で、安全性を重視するのか、快適性を重視するのかなど、お客さまの要望に合わせて作り上げていくことがおもしろいですね。

米元:“作り込みがい”がありますよね。日本には多くの自動車メーカーがあり、それぞれのメーカーとボッシュの信頼関係があるからこそ、細かい部分まで任せてもらうことも多くあります。それは私たちがいるからこそできることで、やりがいがあります。

ベンチャーマインドあふれるXCならではの環境で、答えのない仕事に挑戦し続ける

XC事業部は、扱うソリューションや製品が先進的で新しいものが多く、トレンドの変化が激しいため、対応方法やプロセスなどもフレキシブルに変えたり、自分たちで作り出したりと、ベンチャー企業のような雰囲気があると3人は口をそろえます。

長谷川:答えのない仕事が多いと感じます。自分でより良い方法を探して形にしていくことが必要なので、それを楽しめる人にはピッタリな部署です。

米元:そこが大変でもあり、楽しい部分でもありますよね。若手社員でも積極的に意見を出しますし、個性豊かなメンバーが多いと思います。

一方で、私のようにソフトウェアのバックグラウンドがある人が、プロジェクトマネージャーとしてキャリアアップしたいという場合も、トレーニングやグッドプラクティスが豊富にあるので、しっかり経験を積むことができます。

山田:そうですね。トレーニングは充実していますし、TPMもテストに参加するなど、車を知るための機会もあります。年齢問わず、責任ある仕事にチャレンジできる環境があるので、グローバルな舞台で積極的、自主的に行動できる人、探究心のある人にマッチする部署だと思います。

ベンチャーマインドあふれる環境でチャレンジしてきた3人は、この先もそれぞれの目標に向かいながら挑戦を重ねます。

長谷川:私は入社4年目ですが、これまでアメリカ、韓国、タイ、ドイツ、ハンガリーと、海外出張も多く経験してきました。それぞれの場所で自分と同じような仕事をしているメンバーと交流する中で、ソフトとハードをつなぐシステムインテグレーターのエキスパートをめざしたいという目標ができました。

米元:私は、プロジェクトマネージャーとしてのスキルをもっと磨きたいと思っています。ボッシュは、さまざまなチームからメンバーを集めてプロジェクトを進めるので、プロジェクトマネジメントのおもしろさを実感できるのです。どうすればお客さまの要望に一番効率良く対応できるのかを突き詰めていきたいですね。

山田:私自身は、グローバルテクニカルマネージャーと課長という2つの役割を担うにあたり、まだまだ手が回っていないことが課題です。お客さまとの信頼関係ももっと深めていきたいですし、関係する部署とのコミュニケーションももっと密にとっていきたい。マーケットの動向も見据えながら、さらに柔軟に対応できる組織を作っていきたいと考えています。

自動車業界の変化に対応しながら、先進的な取り組みで日本の自動車メーカーからさらに信頼を寄せられる組織へ──それぞれのチャレンジにボッシュの強みを掛け合わせながら、XC事業部の存在感を高めていきます。

※記載内容は2025年5月時点のものです。

※このページは「talentbook」に掲載された内容を転載しています。
出典:https://www.talent-book.jp/bosch/stories/57715