安全・快適なクルマの“曲がる”をつくる、ステアバイワイヤ技術開発エンジニアの手応えある現場
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モビリティ業界は今、電動化、自動運転という大きな変革期を迎えています。その中で、クルマの「曲がる」を司るステアリングシステムは、単なる操作装置から、運転体験そのものをデザインする重要な要素へと進化を遂げています。
とくに、ステアリングホイールとタイヤが機械的に接続されない革新的な「ステアバイワイヤ」システムは、未来のモビリティの核となる技術として注目されています。
ボッシュ、ビークルモーション事業部の電動パワーステアリング部門では、この変革の最前線で、完成車メーカーとともにステアバイワイヤシステムを開発しています。3名のエンジニア、尾﨑、田中、ウォラサックが、そのやりがいとリアルな手応えについて語ります。
これまでのキャリア:ボッシュでの「発見」と「挑戦」
新卒入社からシステムとソフトウェアの両輪へ
尾﨑:2010年に新卒でボッシュへ入社しました。当時就活イベントで展示されていたF1カーにボッシュ製スプリングが使われていたことを知り、初めてボッシュを知ったことがきっかけです。入社当時は英語がまったく話せませんでしたが(笑)、業務を通じて鍛えられ、今では不自由なくコミュニケーションが取れるようになりました。
自動車部品サプライヤーという認識は当初ありませんでしたが、多様な製品に関われることに惹かれ入社を決めました。2023年から2025年までの2年間はステアバイワイヤプロジェクトでドイツに駐在し、貴重な経験を積むことができました。ドイツで培ったコンピテンスを日本のチームにも還元すべく、現在はシステムとソフトウェアの両方を見ながら、マネージャーとしてチームをリードしています。
ブレーキからステアリングへ、強みを広げるキャリア
田中:2018年に新卒で入社し、最初はブレーキ部門の実験チームにおいて音・振動評価を担当しました。その後、電動パワーステアリング部門へ異動し、現在はステアバイワイヤのシステム制御設計に携わっています。領域をまたぐ経験を積みながら、知見を広げています。
セキュリティとセーフティの最前線で挑む
ウォラサック:私は中途入社でボッシュに入りました。前職のADAS(先進運転支援システム)系のセーフティ・セキュリティ分野の経験を活かし、現在はステアバイワイヤのセーフティ・セキュリティを担当しています。車両挙動に直結するステアリング領域はASIL-D(※)レベルの高度な安全要求を学べると考え、電動パワーステアリング部門を選びました。」
※ ASIL-D(Automotive Safety Integrity Level D):自動車の機能安全(Functional Safety)における安全要求のレベルを示す国際規格 ISO 26262 に基づく分類のうち、最も高いリスクレベル
未来の「曲がる」を創る、最先端技術に触れられるグローバルな開発現場
3人の役割は、ドイツのプラットフォーム開発チームと日本の完成車メーカーの橋渡しです。先行技術や新規アイデアを扱うプラットフォーム開発と、完成車メーカーをつなぐ架け橋として、具体的にはどのような業務をしているのでしょうか。
尾﨑:私はシステム、ソフトウェアに関するお客さまの制御仕様要求を深く理解し、日本語だからこそわかる繊細なニュアンスを正確にドイツ側と調整し、お客さまのニーズを実現することが使命です。私たちが担当するステアバイワイヤプロジェクトは、ドイツのプラットフォーム開発に密接に携われることが最大の魅力です。ドイツ駐在で築いたコネクションも、日々のコミュニケーションに非常に役立っています。
田中:私はお客さまの要求仕様を基に、ステアバイワイヤの各機能を開発する業務を担当しています。日本の完成車メーカーごとに求められるステアリングの「操舵感」やADASなどの付加機能に対し、それを実現するためにドイツのプラットフォーム開発チームと密に連携し、きめ細やかな調整を行います。
日々進化するプラットフォームチームの最先端技術に触れながら、日本のニーズに合わせて技術を作りこめる点が、業務の大きな魅力です。
ウォラサック:私はセキュリティとセーフティ開発を担当しています。日本の完成車メーカーは法規要件を厳密に守るため、セキュリティやセーフティの要求レベルが非常に厳しいです。
一方、ドイツのプラットフォーム開発チームは新技術導入に対して新しいチャレンジも取り入れながら臨機応変にセーフティやセキュリティ規格を満たしています。この両者の考え方の違いを理解し、先進的なプラットフォームを活かしつつお客さまの要求を満たす折衷案を見つけ出すのが私のミッションです。
相反する要望を調整する難しさもありますが、お互いがwin-winになれるような点で合意を導き出せたときは、大きなやりがいにつながっています。
複雑なシステムを「操る」おもしろさと、挑戦するからこそ得られる達成感
尾﨑:ステアバイワイヤは、SWA(ステアリングホイールアクチュエータ)とSRA(ステアリングラックアクチュエータ)という、2つの独立した製品をセットで扱う非常に複雑なシステムです。新技術のため2つの製品単体でのシステム制御の難しさがあることに加え、2つを統合した「システム・オブ・システム(SoS)」としての制御も成り立っているかまで考える必要があります。
これは技術的に非常に難しい反面、大きなおもしろさがあります。セットでの製品の品質を担保するのは容易ではありませんが、挑戦するからこそ得られる達成感があります。
ウォラサック:グローバルでも高品質で知られる日本の完成車メーカーでは、セキュリティやセーフティに関する要求が必然的に非常に厳しくなります。ドイツのチームとのやり取りでは、お客さまの求める水準とプラットフォーム開発のチャレンジ精神の間で、最適なバランスを見つけ出すことが常に求められます。
時にはドイツの開発チームの伝え方がストレートすぎることもありますが、日本のお客さまに最も近い窓口だからこそわかる距離感を意識し、「もう少しオブラートに包んでお客さまに伝えよう」と橋渡し役を務めることもあります(笑)。
時差や言語を超えた、グローバルでフレキシブルな働き方
現在のステアバイワイヤプロジェクトには、日本の電動パワーステアリングチームからは約20名のエンジニアが関わっています。ドイツやインドのプラットフォーム開発チームも含めると、グローバルでは100名を超える規模のチームで協働しています。時差や言語、文化の違いを乗り越えながら、どのような雰囲気で働いているのでしょうか。
現場での英語の使用頻度、私生活とのバランスのとり方
尾﨑:ドイツやインドのチームとの会議が多く、1週間の半分くらいは英語を使っています。時には一日中英語で話す日もあります。ドイツとは時差があるため、夜遅くに会議が入ることもありますが、在宅勤務を柔軟に活用し、間に休憩を取って家族との時間を過ごすなど、切り替えながら対応しています。
ウォラサック:私は在宅勤務を週に3日ほど活用しています。チームによって頻度は異なりますが、プライベートとの両立がしやすいと感じています。
現場は新本社ラボ
田中:私は基本的には毎日出社するスタイルです。2024年5月に渋谷から現在の本社へ移転以後、研究開発に欠かせない設備が拡充され、電動パワーステアリングラボも同じ建物内にあります。私は実験に近い業務も担当しており、週の2割程度は地下のヘビーラボ(※)で作業します。プロジェクトの開発状況によっては、2週間ほどラボにこもりっきりになることもあります。
以前はラボとオフィスが離れた別の建物にありましたが、現在は同じ建物内でラボとオフィスを行き来でき、プロジェクトチームとすぐに会話ができることが新本社の大きな魅力だと感じています。
尾﨑:昨今シミュレーションを活用した評価手法が多くありますが、田中が言うように、システム制御開発では現地現物での確認も重要です。私も週の2割程度はラボで実際の製品に触れ、机上のロジック確認だけでは把握しきれない挙動を実際に物を動かして理解することを大切にしています。
田中:お昼は新本社の食堂で基本的にチームメンバーと一緒に行くことが多いです。若いメンバーも多く、チームは明るい雰囲気だと思います。困ったことがあれば、部署や経験年数に関わらず協力し合える、風通しの良いチームだと感じています。
※ ヘビーラボ:自動車の「曲がる」機能を担う、電動パワーステアリングシステムの機能を評価する設備のほかに、ブレーキ製品の安全性や性能を確認するための振動試験機・熱衝撃試験機・恒温槽・性能試験機があります。製品の安全性が担保できているかを評価するため、さまざまな条件下で試験が行われています(▶参考動画)
開発の現場で感じるやりがいと今後の挑戦
尾﨑:電動パワーステアリングは、制御対象のひとつである「操舵感」が、わずかな適合で大きく変わるのがおもしろいです。前の部署では排ガス処理システムを扱っていたので対象が目に見えないものでしたが、電動パワーステアリングはダイレクトに運転者の感覚に訴えかけるため、よりおもしろみを感じます。
また、ステアバイワイヤプロジェクトはドイツのプラットフォーム開発チームと密に連携するため、彼らがどのような考えで設計したのか、これまで疑問に思っていたことを直接聞けることは大きな収穫になりますし、われわれの考えやお客さまの考えを直接プラットフォーム開発に伝えてそれらがボッシュグローバル標準の技術になっていく点は、技術者として非常にやりがいを感じます。
田中:ステアバイワイヤだけでなく、自分が携わった製品が搭載された車のコマーシャルをテレビで見た時や、たまたま借りたレンタカーに自分が関わった電動パワーステアリングが搭載されていてそれを体験できたときは、本当に嬉しいですね。
ウォラサック:入社時に、難易度の高いセーフティの仕事にも挑戦できると聞いていたので、まさに勉強にうってつけのやりがいのある環境です。ドイツのプラットフォーム開発チームに直接質問し、「なぜ?」と追求できる機会があるため、技術背景の根本的な理由を深く理解できるようになりました。
エンジニアとしての成長を後押しするボッシュの環境
田中:日頃の業務を通して、時間制約の中で社内外問わず会議などの場面で「自信を持って話さなければならない」シーンが多く、時間制約の中でわかりやすく伝えるスキルが鍛えられました。
入社以来、キャリアパスとしては実験からソフトウェア、システムと、幅広い経験を積む機会を与えてもらえたことも、包括的に知識を深める事ができたので、自ら希望する道を拓くことができるボッシュのキャリアパスは魅力的だと思います。
ウォラサック:私は元々慎重派だったのですが、お客さまのプロジェクトスケジュールが優先なのでそれらを守るため、納得いくまで時間がかけられないこともあります。そのため、自主性を持ってどんどん物事を前に進めること、そして課題に対して諦めずに粘り強く解決策を探し続ける力が鍛えられました。
車両全体を理解し、他事業部との横断的なコラボレーション開発する今後のチャレンジ
尾﨑:ソフトウェアエンジニアとして入社しましたが、システム全体・車両レベルの視点で技術を理解しないと良いソフトウェアは開発できないと気づきました。現在取り組んでいるコンセプト車両の開発を通じて、車両レベルで制御することのおもしろさを知り、今後はステアリング単体の視点でなく、車両全体の動きを制御する視点、他のモーション部品との関わりなどより広範な領域とのコラボレーション開発が楽しみです。
ウォラサック:セキュリティの分野ではベース部分などボッシュ全体で共通化できる点があるので、事業部や担当製品を超えた活動が開始しています。クロスドメインコンピューティングソリューション事業部やパワーソリューション事業部など、他の事業部との横串を通した開発に参画し、同じボッシュ内でも、事業部によって文化や考え方が異なることも学びながら業務を進めることが楽しみです。
電動パワーステアリング部門で一緒に働きたい仲間とは
尾﨑:自主的に考え、意見を持てる方と働きたいですね。提示されたゴールに対して、進め方が自由である点がボッシュの良いところだと考えています。
なので、自分で状況を組み立てチームメンバーを自分から巻き込んで共通の目標に向かって進める方を歓迎します。それから粘り強さも大事ですね。お客さまに提案する際も、粘り強く深く考えた上での提案が大事だと思うからです。浅い考えはすべてお客さまに見透かされてしまいますからね。
田中:尾﨑さんと似ていますが、私も自分で主体的に行動できる方が大事だと思います。ボッシュには“Leading myself” “Leading others” “Leading business”というリーダーシップの考え方がありますが、その通り自分自身とチームを導きながら会社としての成果に貢献する方が活躍できると思います。
ウォラサック:私は、実直に挑戦し続けられる方を歓迎します。たとえば、わからないことがあって人に聞いたとして、もし理想の回答が得られなければ、違う人に聞きに行くなどですね。違う回答だったとしてもその中で意外なアイデアを得られることもありますから。
ボッシュの電動パワーステアリング部門では、お客さまである完成車メーカーと車の個性を創り上げ、安全を守る──やりがいある仕事に取り組みながら、技術者として成長し、広がるキャリアを描いていける環境があります。
※記載内容は2025年12月時点のものです
※このページは「talentbook」に掲載された内容を転載しています。
出典:https://www.talent-book.jp/bosch/knowhows/60511