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キャリア入社の社員3名が語るホンネ
――日系企業からボッシュへの転職、何が変わった?

私たちボッシュはドイツに本社を置き、日本を含むワールドワイドに拠点を展開しています。これまで日系企業で働いてきた方にとっては、いわゆる“外資系企業”への入社に不安を感じることもあるのではないでしょうか。しかし、「英語が流暢でないと難しいのでは?」「成果でしか評価されないのでは?」といったイメージは、実態とは異なります。今回は、日系企業から転職をした先輩社員3名にボッシュのカルチャーについて、本音で語ってもらいました。

森田 泰弘

システムズエンジニアリング&技術戦略部
EEアーキテクチャ・コネクテッド技術動向調査 担当

小島 健太

モーターサイクル&パワースポーツ技術本部
ECUコンポーネント開発部 ECUコンポーネント開発グループ1
プラットフォームセミアクティブダンピングコントロール プロジェクトマネージャー

佐藤 礼菜

グローバルビジネスサービスジャパン 人事シェアードサービス部
タレントアクイジション
タレントアクイジション マネージャー

グローバルな環境で自分のキャリアの幅を広げたい。新たな可能性を求めてボッシュへ

みなさんのご経歴と、入社を決めたきっかけを教えてください。

森田:私は前職の電機メーカーで無線関係の研究開発を行っていました。その後、自分の技術がどうビジネスにつながっているのかを知りたくなり、事業部のシステムエンジニアに異動。海外の優秀なエンジニアと出会う機会にも恵まれましたが、日系企業の事業部では開発部隊が日本国内に閉じがちで、出会ってきた海外のエンジニアと一緒に仕事をできる環境が少ないことに気付いたんです。日本での視点を入れて海外のエンジニアと毎日のように一緒に技術開発できるような組織を求めたとき、ボッシュならば実現できると感じたことが入社のきっかけです。

現在は、これまで培ってきた技術への目利き力をベースに、世界の優秀な人材が磨き上げた技術を日本のお客さまに伝えていくことが自分の役割だと感じるようになりました。以前とは目線の高さが変わり、海外の技術力のみならず海外での技術導入事例を紹介できるなど、グローバルな視点を持って仕事ができています。

小島:森田さんは無線技術のスペシャリストだったんですね。私の前職は完成車メーカー。安全に関わる部門で、コンセプト設計から実際の評価まで担当しました。数車種の開発に携わり、自動車に関わる技術の全体を学べたと思っています。ただ、このまま同じ仕事を続けるよりも、電機系と自動車の知識を生かしてキャリアの幅を広げたいと思い、転職をすることに決めました。

森田:その気持ちはわかります。私も小島さんと同じように、幅を広げることで見えてくる自分の価値を知りたいと思って企業を選んでいました。やはり、ボッシュはほかの日系企業とは違うという印象でしたか?

小島:面接の段階から担当者と話が合いましたね。面接特有の「試されている」感じがなく、私の経験に興味を持って聞いてくれました。もともとボッシュの技術力や展開力の高さには注目していましたが、その上ワークライフバランスもいいと聞いて「どうやって両立しているんだろう」と不思議に思っていたんです。以前の職場ではタフに働いていたこともあり、「働き方が改善できたらいいな」という期待もありました。

ドイツに本社があるので、自然と海外と仕事ができるという点もメリットに感じました。特に私の所属するモーターサイクル&パワースポーツ事業部(2WP)は、日本に開発プラットフォームがあり、国内にいながらグローバルな仕事ができる。海外メンバーとフラットに同じ目線で取り組むという経験は、今後欠かせない力になっていくと思います。

佐藤:お二人とも、本社が海外にあるボッシュだからこそグローバルなビジネスや幅広いキャリアにつながると考えていたんですね。私はお二人のように技術分野の経験はなく、新卒で総合商社、その後コンサルティングファームを経てボッシュに入社しています。

新卒の時は「挑戦的な文化」「社会へのインパクトの大きさ」「ダイバーシティ」という観点で就職活動を行っており、縁があった総合商社に入社しました。総合商社でビジネスを学ばせていただくうちに、自分は経営資源の中でもやはり「ヒト」、つまり人材マネジメントに興味があると気づき、人事・組織マネジメントを行うコンサルタントへ転職しました。コンサルタントとして丸3年働くと、今度は自分が第三者ではない形で長期的な組織・人材成長に関わりたいと思うようになり、事業会社への転職を決めました。

ボッシュは日本にいながらグローバルな環境があることと、業界のリーディングカンパニーという点に惹かれました。また、他の企業とは異なり、他業界出身しかも人事未経験の私を前向きに面接してくださった上、「本当に会社が変化をしているところ、これからますます変化していくところ」という強い想いを感じ、入社を決めました。加えて当時ボッシュの副社長は日本人女性の方だった(現在は定年退職済み)ので、性別や国籍でキャリアの可能性を制限されることはない、という確信も持つことが出来ました。

「外資系=ドライ」なイメージとは真逆。個人の「やりたい」を尊重する温かな社風

入社してみて、ボッシュの印象はどのように変化しましたか?

佐藤:技術への探求心も、人への探求心もある企業だと感じています。ビジネスとして成り立たせるのは前提ですが、「技術やプロダクトが好き」など、本当にピュアな気持ちで仕事をしている方が多いです。

森田:理想をあきらめたり現実に妥協したりすることなく、ピュアであることを受け入れてくれますよね。それぞれの想いにさまざまな形で挑戦できることがボッシュの特色だと思います。

私はタウンホールミーティング(経営陣と従業員との対話の場)で、経営層に直接意見をぶつけたことがあります。すると一瞬の沈黙のあと、「やりましょう」と即答。形式だけでなく、本当に社員の意見を受け入れる風土があると感じています。

小島:やりたいことをやらせてくれる企業なのは間違いないです。例えば好きな車種を担当したいと関係者に掛け合えば、柔軟に対応してもらえる。可能性が小さな新しい挑戦も長い目で見てくれるので、「短期的に成果を出せ」といういわゆる“外資系”とはイメージが違います。

佐藤:メーカーでの勤務経験がなかった私にとっては、ボッシュは技術力などの無形資産に加えて、工場など固定資産、そこで働く、従業員一人一人を大切にする想いが新鮮でもあり、だからこそ、従業員を長期的な目線で育成する文化が根付いているんだなと思いました。

ビジネスで英語を使うことなど、ハードルの高さを感じている方も多いのではないでしょうか。

佐藤:不安はわかります。私は英語での職務経験がなかったため、採用時の英語面接は直前に英会話レッスンを申し込み、練習をして乗り切りました。入社してみると、もともと英語ネイティブスピーカーは少ない会社なので、グローバルなメンバーとのやり取りも流暢・正しい文法や綺麗な発音であることよりも本質的なコミュニケーション能力の方が大事だと思います。

小島:私も前職では英語を使っていなかったので、入社まで不安はありました。仕事を始めると技術者同士の会話も英語なので、最初はもちろん大変な面もありましたが、むしろ使う機会が多いからすぐに身に付いた気がしますね。

森田:最初は何を言っているのかわからない、というレベルでした。みなさんそんなものだと思います。数カ月でだいぶ慣れますし、会話のポイントさえ押さえればなんとなります。

小島:ビジネス英語は定型文があるので、それに当てはめて話せれば問題ないですよね。佐藤さんの言う通り、海外メンバーもドイツや中国、インドなど英語が母国語ではないので、お互いに相手の言いたいことをくみ取りながら会話しています。

私はむしろ、自然に身に付く語学力よりも“英語で芯を食った会話をする”というソフトスキルのほうが大事だと思っています。ときには海外メンバーの脱線する会話を戻して、最終的なゴールに向かって推し進める会話力を磨いていく必要があります。

佐藤:相手に「大丈夫(OK)?」と聞かれた時、ごまかさずに「大丈夫じゃない」としっかり伝える。認識に齟齬がないように話を進めるノウハウですよね。確かに語学力よりも求められる技術かもしれません。

自分のキャリアも、家族も大切に。互いの強みを称賛しあう文化が自己肯定感もあげる

逆に「外資系らしいな」と思ったことはありますか?

森田:英語が飛び交うのはもちろん、最初は声の大きさに「グローバル企業だな」と感じましたね。年功序列がまったくなく、仕事ができるメンバーがどんどんキャリアアップしていくのはイメージ通りです。オフィスについても機能的で便利であることに加えて、カフェが併設していたり、従業員が自由に書き込める壁があったり、遊び心がそこかしこにあることも特徴的ですね。

佐藤:先ほどの英語の話にもつながりますが、“英語を学ぶ”のではなく“英語でリーダーシップを学ぶ”といった学習コンテンツが多いことに、英語をあくまでも手段としてとらえる外資系らしさを感じました。社内システムはすべて英語なので最初は戸惑いましたが、慣れれば語学力もついて一石二鳥ですね。

小島:各拠点のメンバーが本当に身近にいて、すぐにエキスパートにリーチできますし、いろいろなタイムゾーンの方と会議をするとき、グローバル企業であることを実感しますね。さまざまなバッググラウンドを持ったメンバーがそろっていて、みんな親切です。これは外資系というよりも、ボッシュの特色かもしれませんね。

森田:海外の先進技術についても、メールで聞くとすぐに教えてくれますよ。しかも、1つ質問すると10返ってくるような親切さ。社内にさまざまな知見が集まっているので、外部のコンサルタントが社内に集まっているようなイメージです。これもボッシュのすごさだと思います。

ボッシュに入社したことで、私生活や精神面で変化したことはありますか?

佐藤:自分の意見を、自信を持って伝えることが出来るようになりました。ボッシュはマネジメントにおいても個人の強みに着目してくれますし、従業員だけでなく経営層も「ありがとう」と積極的に発信するほど、称賛の文化が根付いています。あとは「佐藤さんは次に何がしたい?」と入社直後から上司に聞いていただいたので、自分のキャリアを選ぶのは自分である、という意識が強まりました。

森田:自分でキャリアを選べるからこそ、仕事にフルコミットするだけでなく私生活にもフォーカスして、バランスよく働くことができるのはボッシュの良さですね。私の感じる大きな変化は、小学生の子どもがドイツに興味を持つようになったこと。会社のファミリーイベントでサンタクロースの格好をしたメッカ―(取締役副社長クリスチャン・メッカー)と話すなど、父親の会社で異文化体験をしているようです。

小島:家庭を持つ個人のキャリアも大切にしてくれる文化がありますよね。私も育児休業を取得して復帰したところなのですが、在宅で仕事ができることのありがたみを感じます。家族と一緒に食事ができる生活を続けているせいか、周囲からは「最近、穏やかになったね」と言われました。

佐藤:会社の雰囲気がいいから性格が柔らかくなるという変化、確かに私も実感しています。

小島:「とにかくやるんだ」と突き詰めることで進む仕事もあると思うのですが、プレッシャーをかけても仕事は進まないという価値観が根付いています。「できない、じゃあどうしようか」と考えてくれる穏やかな雰囲気は、少しカルチャーショックを受けたほどでした。

業界の変革期だからこそ活躍の機会がある。世界の一拠点ではなく、自分たちにしかできない役割を

ボッシュの日本拠点は、今後どのような立ち位置になっていくでしょうか。

森田:常にグローバルな視点を持ちながら、それをどのように日本に導入していくか、ということが求められると思います。自動車業界は世界的に変革期にありますが、特に日本は差し迫った社会問題への対応が求められ、変化の最先端に置かれています。危機感も大きいですが、だからこそボッシュジャパンの視点でこそ築けるソリューションがあるはず。公民連携で進むボッシュ・グループ新研究開発拠点の建設(Fusionプロジェクト)もドイツからの期待の大きさを感じますね。

佐藤:私自身、自動車が好きというよりも、社会のインフラであるモビリティが転換期を迎える中で、社会に影響を与える仕事をしたいという思いを持って入社しました。変化が大きいタイミングだからこそ、必要な人材も多様化していますし、異業界からやってきた私のような経験も活かせるのだと思います。小島さんも変革期にあることは肌で感じているのではないですか?

小島:こんなに業界が変わっていくタイミングはないですよ。EVや自動運転への切り替わりのなかで、従来の自動車ビジネスのままでは通用しない時代に突入し、だからこそ「どう変革していくか」が求められています。欧州や中国で起きている変化が日本にもやってくるのか、あるいはまったく別の視点で取り組むことができるのか。世界に広がるボッシュが持つ、多くの手札をどうつなげていくかが問われますね。

ボッシュへの入社を検討している方に、先輩としてのメッセージをお願いします。

森田:とにかく大切なのは自分から手を挙げて挑戦していく、攻めの姿勢です。変化の激しいいまこそ、活躍の機会は広がっています。ボッシュという会社が持つアセットを生かせば、自分の意志で将来のビジネスを変えていけるチャンスも。応募を躊躇している場合ではない、とお伝えしたいです(笑)。

小島:日本のボッシュは本来、世界に広がるボッシュの一拠点に過ぎないという立ち位置です。けれど、そこで新研究開発拠点の建設や新たな生産ラインの稼働といったダイナミックな動きが起きているのは、一人ひとりが「自分たちの強みをどう生かしていこう」と考えた結果だと思います。ドイツの本社に言われたことだけを行う一拠点、一窓口になるのではなく、自分たちのプレゼンスをあげていくためにも自ら手を挙げてやりたいことを主張できる方と、一緒に働きたいですね。

佐藤:ボッシュにはよく外資系企業でイメージされるような競争的な雰囲気はまったくありません。自動車という大きなプロダクトを多くの人々が協力して作りあげているからこそ、誠実に向き合い、周囲と一緒に取り組む文化が根付いているのだと思います。自分の好きなこと、興味があることを大切にしながら、チームのために何ができるかを考えるマインドセットのある方を歓迎します。私のような他業界・他業種の経歴を持った人でも「その視点を生かしてね」と言ってもらえる組織ですので大丈夫です!

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※掲載記事の内容は、取材当時のものです。(2023年3月22日公開)